Last update:2006/05/17 00:00:00
今回の併催は珍しくJGTC。
JGTC300クラス16番 M-TEC NSXには山野(兄)選手と八木選手が乗っている。
八木選手と言えばこの放浪記を読むような人は当然知っているはずの、2002〜2003年インテインター連続チャンピオンの八木選手である。
結果的にガライヤとの直接対決を制して、16号車が今シーズン初の優勝と同時にチャンピオンを決めた。単純に、うれしかった。
今シーズンの八木選手に私は多くの期待と不安を抱いていた。
もちろん今までにもJGTCとインテ(シビック)の両方に参戦したドライバーは多い。渡辺選手、松本選手、そして井入選手が代表格だろうか。
ところが今までは冠のつき方が逆だった。インテのPitFMなどで「GTにも出ている」という言われ方はするものの、GTの放送で「インテに出ている」とは言われたことはあっても少ないはずだ。
が、八木選手は違った。何かにつけて「インテチャンピオンの八木選手」という呼ばれ方をされてきた。八木選手が活躍してくれれば、インテレースのレベルの高さを実証することになり、逆に言うと下手なレースをすればそのレベルを疑われてしまう。
シーズンが始まる前からM-TECはチャンピオン候補....しかも大本命だった。当たり前だ。GT500を戦ってきたチームと車がGT300を戦う。卑怯だとかGT400だとか、すごく言われていたと思う。
実際テストでも好タイム連発。大本命という下馬評はいきなり強固なモノになった。
と、同時に八木選手には想像を絶するプレッシャーになったと私は想像する。
シーズンが始まると八木選手のミスでM-TECはレースを落とした。勝って当たり前のレースを落とした。これでさらに八木選手へのプレッシャーは増幅したに違いない。
私は今年結局JGTCのレースを見たのは最終戦鈴鹿だけだったので、レースウィークの八木選手の表情をうかがい知ることは出来なかったが、あの笑顔ですら時には見せることができなくなっていたのではないかと思う。
そしてこの最終戦。プレッシャーは極限を超えたと思う。
GT300フロントローにガライヤと並ぶ。山野(兄)選手が乗る前半は目が離せない接近戦、八木選手の出番は後半....まさしく抜かれた時点で負けが確定する展開だ。信じがたいスピードでピットアウト(実際FMでは「タイヤ交換2輪」説もあった)した八木選手、追い上げる高木選手....
詰め寄られるラスト数周....私は、正直八木選手がいつ飛んでもおかしくないのではないかと思っていた。八木選手はどんなプレッシャーにも勝つほどになっているのか....
数秒差まで詰め寄られたが、GT300のトップでチェッカーを受けた。プレッシャーに打ち勝った。
足早にサーキットを後にした私は、八木選手の涙をビデオでしか見ていない。少し、現場で見ればよかったカナ....と後悔したが、きっと私ももらい泣きしたかもしれないので、よしとしよう。(^^;
インテに出ていたときよりも私からは遠い存在になったかなぁ....という寂しさもあるが、GTでチャンピオンをとり、そして極限を超えたプレッシャーにも打ち勝った八木選手のこれからにもっと期待したいと思う。そして、近い将来それに誰かが追従するのだろうか....
八木選手、本当におめでとうございます。ヽ(^o^)丿