開幕年となった2002年は、開幕前には予想できなかったことがいくつかあり、そしてそれでもやはりシビック時代からの流れを引き継ぎある意味「当然」と思えることも多くあった。
一言で言えば「成功」だったと私は思っている。少なくてもつまらないレースはあまりなく、少し台数は減ってしまったものの混戦が見られた。
さて、いくつかの視点でインテグラレースを振り返って、その中で私の雑感を並べていきたいと思う。
マシンの性能は当然ながら高く、開幕当初からシビックのレコードを2秒程度縮めてきていた。見る側には速さは魅力のひとつであり、個人的な趣味で言えばインテグラTypeRはかっこいいので、それもまた魅力であった。って、別にEK9がかっこ悪いとは思っていなかったが....
シーズン開幕当初は、パーツがないだの、オイルをばら撒くだの、ステアリングロッドがどうだの、シーズン中盤になるとキャリパーがどうだのといろいろ問題もあったようだが、基本的には無限さんが対策を早めに打ち出し、大きな問題には発展していなかったように思う。
ピーキーと言われたその素性も今では目にするのは特定のコーナーくらいになっているように思う。富士の1コーナーとか、茂木の90度とか、鈴鹿のシケインなどのハードブレーキングを強いられるポイントか。
まあ、それでもFRかと思わせる動きもたまに見られることに変りは無いが。
その辺はメーカーさんとメカニックさんの努力でセッティングが進んだということもあるだろうし、ドライバーがDC5の乗り方をアジャストしてきたこともあるだろう。
いずれにしても1年の間でかなりの開発は進んだようで、ある意味チーム力が問われた1年だったのではないだろうか。
聞くところによるとパーツのライフは意外と長く、負担の大きい駆動系のパーツもそんなに交換が頻発しているわけではないようだ。小さなことだが、こういうところでチームに負担が増えないというのは良いことなのではないだろうか。
マシンの一部としてどうしても触れないわけにはいかないのが、タイヤである。
期待していた雨も降らず、レースの魅力をスポイルする原因の一つになっていたことは、正直に書かせてもらいたい。
今年もヨコハマ有利という流れに変りは無かった。シビック最終年よりもその差は顕著だったのかもしれない。
金曜日に2秒、土曜日に1秒の差があり、柔らか目を選んでなんとか予選上位に食い込んでくるドライバーは居るが、決勝でのペースダウンは明らか。見ていても辛いものがある。
地方シリーズはワンメイク化されたわけだが、それはやはりきちんとコントロールされていたようだ。
タイヤの使い方にレースが影響され、それはレースのポイントのひとつになっていた。予選での周回数が多いドライバーはレース後半のペースダウンがあったり、予選でタイヤを思いっきりロックさせたドライバーはやはり決勝でも苦しい。こういう楽しみ方ができた。まあ、もっとも予選をまともに見てないとわからんのだが。(笑)
個人的にはインターのタイヤがワンメイクになればよいとは思いたくない。
あるサーキットではこっちが相性がよい。予選と決勝の序盤はいいがタレがきつい。夏になるとこっちのが相性がよい。雨になればこっち....と、タイヤによるレースの大まかな流れは F1でミシュランとブリヂストンがやっているようにレースを見るうえでひとつの楽しみでもあるはず。
それだけに、ダンロップさんにはほんとにがんばって欲しいのだ。
JGTCではイエローコーンと手を繋ぎ結果が出た。トップに行くことができるメーカーだということがわかっているだけに残念で仕方がないのだ。
これから2003年に向かって水面下でさまざまな動きがあると思うが、そのときにタイヤのパフォーマンスが影響し、エントラントが減るようなことがないことを祈りたい。