黒木選手をかわした山野選手はそのままの勢いで和田選手のインにも突っ込んでいく。
が、ブレーキロック。
何とか曲がっていくが当然この状況ではスピードは乗らない。立ち上がりでアウト側にはらむ山野選手。はじき出されるのは最悪の結果だという認識があるのだろうか、和田選手は山野選手を避けるように真ん中に。そしてその二人の失速をチャンスとみた黒木選手が立ち上がりイン側のラインに入っていく。
このレース、最大の見せ場ともいえるシーンの演出が整った。
1コーナー立ち上がりのアウト側から山野選手、和田選手、黒木選手が何かのコマーシャルかのようにきれいに隊列を組んで立ち上がる。
引かない、引かない、誰も引かない、引くはずがない。
軽くお互いのマシンを触れ合いながら、コカコーラへ。行き場のない和田選手が我慢しきれず(?)にコカコーラのアプローチで若干早めにブレーキング。
イン側によりすぎていることもあるのだろう、次にブレーキングしたのはイン側の山野選手、黒木選手はアウト側からばっさりと2台をパス。100Rに消えていく。
1コーナーのスタンドは拍手喝さいと「おー」という声があがる。
「これだよこれ!」と、思うが、わがままな私は「でもこれで嶋村選手が逃げるなぁ」と思っていた。(^^;<トップ争いでコレが見たいのよ。
黒木選手、山野選手、和田選手のグループは休む暇がない。山野選手は次の1コーナーで黒木選手にまたしても仕掛けていく。若干黒木選手のストレートの加速が悪い感じがしていたので結構スリップにつきやすいのか?
伊藤選手、牧田選手のバトルは一旦は伊藤選手に前に出られていた牧田選手がやや引き離している感じ。
その後ろは若干前嶋選手が安定せず(たまにアウト側にはらんだりして)、英春選手、塩谷選手、水越選手、前嶋選手のオーダー。ここはチェッカーまで延々とバトルが展開される。
予選順位のよかった塩谷選手だが、レースが始まってしまうと結局は英春選手と水越選手のあたりに居るところが面白い。(本人はかなり悔しいレースだと思うが)
スリップにつかれる心配のなくなった嶋村選手が逃げてそのままチェッカー。山野選手、黒木選手、なかなか抜けない和田選手....が、いきなり黒木選手のペースが落ちた。これはおそらくトラブルだろう....和田選手は労せず黒木選手を抜いたが、正直3位では....と思っていることだろう。
逆に山野選手は予選が失敗だったといえるのかもしれない。中盤の大バトルに加わっていなければ、十分にトップ争いを嶋村選手と行っていた可能性もあると思う。
中段グループは横並びのままチェッカーか。
最終的には英春選手と塩谷選手、水越選手と前嶋選手の間はほとんどない。
いやー、久々にバトル満載のインテインターだったなぁ。楽しかったです。
チャンピオンシップで見てみると、表彰台を降りない和田選手、10ポイント差で嶋村選手、さらに11ポイント差で英春選手。
実質的には和田選手と嶋村選手の一騎打ちかもしれないが、1位と2位のポイント差が3点しかないので、嶋村選手連勝でも2位2位なら逃げ切れる計算ではある。
が、山野選手、黒木選手が間に入ることが十分に考えられるだけに....混戦だといえるのではないだろうか。